白い部屋に独り

白い部屋に独り


ここから外は見えていて
楽しそうなあなたも
怒っているあなたも
丸見えなのですが


なにも聞こえない



ランドセルを背負った少女は
いつものように
うわばきに履き替えた



こっちを向いて笑っている
わたしは笑われている


何も変わりない
何もわからない



いつもの場所に座り込んで
分厚い硝子に問い掛けた


何がいけない?




ある日突然変わるもの

昨日までの正しさは
間違いになって

昨日までの本当は
嘘になって


わかるのは自分だけだ
自分のこころの奥の ほんと
それだけが本当だ


白い部屋に独り

ここから外を眺めて
そんなことを考えて


今日は月を見なかった
昨日の月は、大きかったな


目を閉じよう